September 20, 2015

国境越え/島国Japan(長いです)






Copyright © Waki Photography. All Rights Reserved.

はぁ。
今、何をしたらいいんだろう、
これからどうなってしまうんだろう
という思いの中、自国のこともあるけど
忘れないうちに今回の旅で一番心に残ったことをかこうと思う。

ヨーロッパ難民受け入れのニュースがながれる中、
「難民問題」ということに無知な自分のために
世界は教えてくれた。

ドイツ、Hamburgで一日弱を過ごし、
いよいよ最終地点のスウェーデン、Malmoに入国する前日。
いつものように電車のチケットを予約にいくと
なんと難民受け入れでDBがパニックにより
予約ができない、という。
スウェーデンでは撮影の仕事も入っていたし
スウェーデンからうちらは飛行機で帰るため、かなり焦る。
その晩はとりあえず、明日は早く駅へいこう、と決め、
万が一のことを考え、
Malmoはあきらめ、Stockholmにそのままナイトトレインでいこう、
と決める。

翌日、時間より早く駅に到着し、
電車を待つ事数十分。
パスポートも飛行機のチケットもあるし
まぁ大丈夫だろう、と余裕で待っていると
なんと、駅にいたほぼ全ての人は予約の紙をもっていた。
DBもただ濁すばかりで、
なぜ皆がチケットをもっているかわからない、という。
とにかく、この電車はのれないから
次の鈍行でドイツの北の端、Flensburgまで行ってみろ
Hopefully you guys can make itといわれる。
このHopufullyが怪しい、と思いながら言われるがまま鈍行に乗車。
DBの人が時間をプリントアウトしてくれ、
それを参考にFlensburgに向かうが、
時間をすぎても一向にその駅が現れない。
乗客のドイツ人の女性に確認すると、あと一時間かかる、という。
この時点で、ナイトトレインにのれるか不安になった。

とりあえず、Flensburgに無事到着し、
デンマークのOdense行きの電車を待つ。
すると、DBの人に、電車がキャンセルになった、
と伝えられた。
なんと。
エリックがどうにかならないのか、といろいろ聞いてみるけど
デンマークのゲートがクローズされてしまい、
今日はもう電車は動かない、といわれた。
まさかの出来事にパニックしたが、
とりあえずスウェーデンにはなんとしても入らないといけない。
タクシーで国境越えにトライしよう、ときめ、
タクシーの取り合いになる前にタクシーに乗車した。
この時点でユーロはもうカツカツ。
3人で€5しかなかった。
エリックがATMまで走り、ユーロを入手してきてくれ、
デンマークへ向かった。
国境はというと、全く人がおらず、道路もがら空き。
なんなくデンマークに入り、Tinglevという駅についた。
と、駅からぞろぞろと荷物を抱えた人々がおりてくる。
嫌な予感。
が、駅からでてきた人々は
逆へ向かっている人だった。
大変だなぁ、と思いながら、Copenhargen行きは動いている、と知り
ほっとした。
Flensburgで見た人々が次々とTinglevにタクシーで到着し
なんとなく、仲間意識で盛り上がった。

電車に乗車して
あーとりあえずよかったー
と思った直後
警察官がぞろぞろと電車にのってきた。
電車は止まり、真後ろに座っていた
アフリカ系らしき家族の前で警察がいろいろ何かを言っている。
しばらくして、家族のお父さんらしき人が下ろされ、
子供達だけがのこされる。
その後、警察は子供達にも降りろ、といいだした。
家族が離ればなれになるのか心配になり、
でもせっかくここまできたのに、
とこちらまで悲しくなった。

約一時間後、
警察がまた増えてきだし、それまで話していた警察官が
今きた警察たちに「まだ来るな」と指示をだした直後
子供達が泣きながら立ち上がった。
バタバタで乗車したため、
泣きながら降りて行く子供達に渡すものも何も無く
しばらく放心状態になった。
よくみたら、電車のワーカー達も泣いていた。

子供なのに
たぶん大金を使ってここまで逃げてきたのに
これからどうなってしまうんだろう。
こんなことが日常茶飯事に起こっているんだろうな、と知り
島国日本からアメリカへ渡り、
けっこう世界のことをわかっていると勘違いしていた 自分のちっささに失望した。
戦争や紛争のせいで
自分の国に住めなくなった人々がこんなに沢山いるなんて
想像以上だった。

自分達はその後、
ナイトトレインには間に合わず
深夜1時前にMalmoに到着。
エリックの友人と、
その友人の行きつけというペルーレストランのオーナーにお世話になり
一晩Malmoで過ごさせてもらった。

ものすごくお腹がすいていたこともあったけど
翌日のペルー料理は絶品だった。
難民問題をこんな形で身近に感じ
いい話ではないけど、
自分の無知さに痛感し
いい経験にはなったと思う。

さて、自分には何ができるんだろう。。